活気あふれるオホーツク沿岸
湧別 シブノツナイ竪穴住居跡
湧別町シブノツナイ湖のほとりの段丘面には,以前から多数の竪穴住居跡があることは知られていたが,昭和38年と昭和41年の調査で町営牧野に515,町営牧野入口に107,私有地に43の計665の住居跡があることが報告された.これらのほとんどが,竪穴内の出土品から擦文文化期に形成された竪穴式住居跡とされるが,一部に縄文文化期・続縄文文化期・オホーツク文化期に形成されたものを含む.
竪穴跡の多くは方形で1辺約7m,南壁の中央部に窯,全体の中央に炉がある.出土する動物骨格はヒグマ・エゾシカ・アザラシ・アシカの他,キツネ・カワウソ・タヌキが多い.また植物としてオオムギが認められることが特徴で,この他,アワ・マタタビ・ブドウ・クルミなどが確認されている.
湧別町には平野部から三里番屋(サロマ湖砂州)にかけて多数の遺跡が確認されている.当時は,食料の豊富な北方大陸との交流地として栄えていたらしい.
既存の指定など
北海道指定遺跡「シブノツナイ竪穴住居跡」
所在地
湧別町 字川西
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参考文献
湧別町史編さん委員会 編(1982)湧別町百年史.1540p.
北海道立北方民族博物館(1995)湧別町川西遺跡−北海道東部におけるオホーツク文化の遺跡調査−.北方民族博物館調査報告.
米村喜男衛(1981)北海道紋別郡湧別町川西遺跡.北方郷土民族誌1.
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