北海道地質百選とは
地質的,地形的あるいは独特の植生などのような地生態的に貴重な地域・露頭・地質事象(活火山や地すべりなどのような地質や地形が形成されている過程)を選定して,北海道の地質遺産として保存・改善・知識の普及を行い,地域の価値の再認識と地球科学・環境問題教育の助けにすることを目的とします.
将来的には,この地質百選を地域に資源ととらえ,文化財などを含めたジオパークなどへと発展させ,持続可能な社会的・経済的な経営計画に基づき地域の発展に寄与することを目指します.
北海道地質百選の条件
募集に当たっては,地域・露頭・地質事象(火山噴火,湧水,地すべり地形など)に,規模・場所などの制限は設けません.たった一つの露頭でもかまいません.けれども,上に述べた目的のためにはいくつかの条件があります.
「北海道地質百選」に選定される地質・地形・地質事象は,次の基準のうちどれかを満たすことが必要です.
下のどれかひとつを満たすことです.
1. 学術的に重要な地質・地形および地質事象(露頭や岩石・鉱物・化石,噴気・噴泥など)
2. 地域の独特な景観をつくる地形地質(美瑛富良野の火砕流台地,札幌の八剣山など)
3. 産業活動や地域生活に結びついた地質・地形(札幌軟石,旧鴻之舞鉱山5号大露頭など)
4. その他「地質遺産」として科学的に意義付けられ,保存・改善されるべきもの
とりあえずの募集目標
「日本の地質百選」が2007年5月に選定されました.北海道では,知床半島を始め7箇所が選ばれています.また,世界ジオパークへの登録準備も進んでいます.
このように,地質を地域の財産として利用する動きが活発になっています.このような状況の中で,「北海道地質百選」の目標は次のように考えています.
(1)「北海道地質百選」はジャンルや数にはこだわりません.1図幅に1つ以上,1市町村には1つ以上を目標とします.
(2)地質・岩石・鉱物・化石だけでなく,地形,湧水,地すべりなど幅の広い分野での応募を歓迎します.
(3)市民に分かりやすい説明ができることが必要です.可能な限りその地質などについての研究成果を掘り起こし,それを分かりやすく,興味深く説明することに勤めます.
(4)応募し一般に知られることによって盗掘や破壊のおそれがあるもの,その土地の持ち主に迷惑がかかるものについては,保護・保存を考えたり,立ち入り時の注意事項を守ってもらいます.
(5)応募のあったものから検討グループで討議し順次公表します.
(6)北海道地質百選の候補地が多く集まった段階で北海道地質百選の選定を行うことを考えています.
身近な地質露頭などをどんどんお知らせ下さい.皆さんから寄せられた露頭などが学術的にどんな意味があるのか私たちで検討し,その分野の専門家の方に相談します.必要であれば現地に赴きます.