積丹半島は日本海に突き出た幅27km,延長40km の半島である.最も高い山は,半島の先端付近に位置する余別岳で標高1297.6m である.海岸は,断崖絶壁の連続する箇所が多く,豊浜トンネルのような大規模岩盤崩落が発生する.また,西海岸の積丹町沼前(のなまえ)に代表されるような大規模な地すべり地形がある.
積丹半島の地質は主に中新世の火砕岩類や堆積岩類から構成されているが,西海岸の古宇川上流には粘板岩やチャートからなる堆積岩類,黒雲母花崗閃緑岩,角閃石岩などの先第三系が分布しているほか,泊村玉川中流にフィッショントラック年代21.8Ma~33.4Ma(漸新世~前期中新世)を示すアルカリ流紋岩質の溶岩,溶結凝灰岩が分布している.
半島東海岸付け根の余市から神威岬を周り泊村茅沼に至る国道229号では水中溶岩を中心に,いろいろな岩石とその産状を見ることができる.また,海岸に面しているため風による浸食作用も含めて様々な形の岩がある.この 「On-line Hokkaido Geopark 積丹」では主に海岸で見られる地質を紹介している.
Presented by Editor Masayuki Ishii.