縄文時代の遺構
忍路・地鎮山・西崎山 ストーンサークル
忍路環状列石は約3,500年前の縄文時代後期の遺跡で,北西に向いたなだらかな斜面を平に均して造られている.大きさは南北に33m,東西に22mの楕円形である.周辺の石は円礫ないし亜円礫が多いが中心部には角柱の石が配されている.
地鎮山環状列石は約3,500年前の縄文時代後期の遺跡である.忍路環状列石と沢を挟んだ向かいの北西に延びる尾根の頂上にあり,長径10m,短径8mの楕円形である.ここでは中央付近の石を敷き詰めた部分から縦横2m,深さ1mの四角い墓穴が見つかっている.
西崎山環状列石は小樽市と余市町の境の尾根にある.この尾根には四つの墓壙状の列石があり,見学できるのは1区のものである.ここでは東西約11m,南北約17mの楕円形の範囲に直径約1mから2mの列石が7基確認されている.ここからはシリバ岬がよく見える(0434シリバ岬の写真参照).ここでは穴の中から燐分が検出されていて古代の墳墓と推定されている.
なお,この列石の岩種は輝石安山岩とデイサイトが多く,モイレ岬の流紋岩,小樽赤岩の変質安山岩,シリバ岬の柱状節理のデイサイトなどが使われている(北海道札幌稲北高等学校自然科学部地学班・松田義章(2009)北海道指定史跡「余市西崎山環状列石」を構成する岩石とその由来について.日本地質学会北海道支部 個人講演会で発表).
なお,いずれの遺跡も柵の外から見学するように.
既存の指定など
忍路環状列石(国指定史跡:1961(昭和36)年3月)
地鎮山環状列石(北海道指定史跡:1950(昭和25)年8月)
西崎山環状列石(北海道指定史跡:1951(昭和26)年9月)
所在地
小樽市 忍路2丁目(忍路・地鎮山環状列石)
余市町 栄町(西崎山環状列石)
参考文献
北海道開発庁(1954)5万分の1地質図幅「小樽西部(札幌-10)」および同説明書.27p.
説明には各遺跡の説明版を参考にした.忍路・地鎮山:小樽市教育委員会西崎山:北海道教育委員会・余市町教育委員会
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