街の入口の安山岩岩脈
網走市の帽子岩とポンモイ柱状節理
網走市付近の地質は,主に第三紀中新世の車止内層・網走層と,これに貫入する安山岩岩脈,および最上位を不整合に被覆する第四紀の美幌層で構成されている.安山岩岩脈の存在は,中新世にこの付近で活発なマグマの活動があったことを示しており,その露頭として,網走港内の帽子岩と網走港南海岸のポンモイ柱状節理が知られている.
帽子岩は円筒形の特異な形の岩礁であり,明治・大正時代はアイヌ語でカムイワタラ(神の岩)と呼ばれていた.このため,網走の語源であるアイヌ語のチパシリ(祭場)は,この帽子岩を指すという説がある,ポンモイ柱状節理は,みごとな節理が見られる断崖の露頭であり,生物学者のブラキストンが北海道を訪れたときにその存在に注目し,記録に残している.これらの安山岩岩脈の露頭は,何れも網走市の海上からの入口である網走港付近にあり,地域の特徴的な景観をつくっている.
既存の指定など
網走市指定天然記念物・網走市指定文化財(ポンモイ柱状節理)
土木学会選奨土木遺産(帽子岩ケーソンドック)
所在地
網走市 北1条東2丁目
参考文献
菊地慶一,1988,網走叢書 2 網走百話.pp16-17,網走市教育委員会.
島田忠夫,1961,5 万分の 1 地質図幅「網走」 ( 網走 - 第 27 号 ) および同説明書,地質調査所.