奥尻島の米岡層
支庁マップ 網走支庁 根室支庁 釧路支庁 十勝支庁 日高支庁 胆振支庁 渡島支庁 檜山支庁 後志支庁 石狩支庁 空知支庁 上川支庁 留萌支庁 宗谷支庁

 

icon_gaku 術的に重要な地質・地形

独特なbase_kei 観をつくる地形・地質

icon_san 業活動と地域生活

その他の「地質icon_i 産」

 

category_volcano category_tectonics category_sedimentology category_geography category_engineering category_mineral category_fossil category_archaeology category_shaped-rock

 

候補サイト 全リスト

リスト一覧

更新されたサイト

 

リンクについて

このページへのリンクは自由です.なお,公開されている記事・写真についての引用等は著作者の了解が必要ですので,必ず御連絡下さい.
リンク元として以下のバナーをご使用ください.
Hyakusenbannar

 

SpryLicence

 

Powered by Lightbox v2.04

北海道南西沖地震で岩盤崩壊多発

奥尻島の米岡層

米岡層のシルト岩部層:青苗から西海岸を北に向かって千畳坂を下った左手の沢の左岸にある露頭である.凝灰質シルト岩と細流砂岩の互層からなる.層理面の走向・傾斜はN20°W,15°NEである.千畳浜付近.【写真: 石井正之】
次の写真

米岡層の凝灰質砂岩:フィールドノートの上端付近に堆積ユニットの境界がある.白色の軽石層は逆級化である.千畳浜付近.【写真: 石井正之】
前の写真 次の写真

ホヤ石付近の露岩:高さ約80mのハイアロクラスタイトの崖である.下部の白色の地層は流紋岩質の凝灰岩で米岡層のメンバーであろう.また,落石防護策の頭部付近から下には黒雲母・角閃石の目立つ石英安山岩が露出している.ホヤ石付近.【写真: 石井正之】
前の写真 次の写真

下から石英安山岩(黒灰色)と流紋岩質凝灰岩(灰白色)および米岡層のハイアロクラスタイト:石英安山岩の上面には周辺急冷相があることから,米岡層の流紋岩質凝灰岩に貫入した石英安山岩の境界であろう.ホヤ石付近.【写真: 石井正之】
前の写真

米岡層は奥尻島の西海岸の青苗から鴨石トンネルにかけて分布する後期中新世から鮮新世の地層である.南部の青苗付近では塊状・凝灰質な珪藻土質シルト岩(シルト岩部層)を主体とするのに対し,千畳浜浜付近から北では輝石安山岩質ハイアロクラスタイト(火砕岩部層)が主要な構成地質である.

ホヤ石岬付近を中心に分布する火砕岩部層は,1993年7月12日の北海道南西沖地震の時に各所で岩盤崩壊を起こした.特に,ホヤ石から北の道路沿いに続く100m以上の高さのある一連の崖での崩落が激しく,地震の震動によるジグゾークラックが発生した落ち残りの岩体も見られた.

現在は危険な岩塊の除去が行われ,安定した斜面となっている.

【執筆者:石井正之・嶋岡 博】

所在地

奥尻町 米岡

奥尻町 湯浜

参考文献

地すべり学会北海道支部編(1997)地震による斜面被害 1993〜1994年北海道三大地震から.北大図書刊行会,253−257.
日本地質学会編(2010)日本地方地質誌1 北海道地方.朝倉書店,179-180.
秦 光男・瀬川秀良・矢島淳吉(1982)地域地質研究報告 5万分の1図幅「奥尻島北部および南部地域の地質」.地質調査所,14-17.