岩屑なだれ堆積物の陸上部先端
出来澗崎のクルミ坂岩屑なだれ堆積物
説明:
駒ヶ岳の1640年噴火時にクルミ坂岩屑なだれを発生させた山体崩壊は,まず山体南斜面が崩壊し折戸川を堰き止めて大沼・小沼を形成した.その後,山体東斜面が崩壊し噴火湾に流入した.この岩屑なだれは噴火湾の海底に広く分布することが確認されていて,出来澗崎の沖,約8kmまで広がっている.この時,津波が発生し700人余りが溺死し,舟100隻余りが破壊された.この津波の堆積物は森町鷲ノ木から白老町社台までの4地点で確認されている.
この東に流下した陸上部の先端が出来澗崎である.北海道立漁業研修所の東の海岸で,この岩屑なだれ堆積物と1640年噴火時の降下軽石堆積物を見ることができる.
所在地
鹿部町 本別
参考文献
勝井義雄・岡田 弘・中川光弘(2007)北海道の活火山.北海道新聞社,18-33.
勝井義雄・鈴木健夫・曽屋龍典・吉久泰樹(1989)北海道駒ヶ岳火山地質図.地質調査所.
西村裕一・宮地直道(1998)北海道駒ヶ岳噴火津波(1640年)の波高分布について.火山,第43巻,第4号,239-242.
吉本充宏・古川竜太・七山 太・西村裕一・仁科健二・内田康人・宝田晋治・高橋 良・木下博久(2003)海域に流入した北海道駒ヶ岳1640年岩屑なだれ堆積物の分布と体積推定.地質雑,第109巻,第10号,595-606.
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