自形の黒雲母がキラキラ
浦河町乳呑川上流のモンチカイト
乳呑川上流の林道脇に風化してボロボロになったモンチカイトの露頭がある.ここで見られるモンチカイトは,1cm以上の黒雲母の自形結晶が形成されているのが特徴である.モンチカイトと言うのは,アルカリ質玄武岩の半深成岩である.全自形粒状組織を示すランプロファイアーの一種で,アルカリ長石や斜長石を含まないものをモンチカイトと呼んでいる.ここでは,中部蝦夷層群絵笛累層の砂岩・泥岩互層中に層理面に平行に貫入している.K-Ar 年代は17.7Ma(Ma=百万年前.1,770万年前)で前期中新世である.
この岩石は,「三石図幅」ではモンチカイトとしているが,「西舎図幅」でランプロファイアーとなっている.
モンチカイトという岩石名は,ポルトガル南部アルガルヴェ地方のモンシケ山脈(Serra de Monchique:Monchique Mountains)に由来している.
所在地
浦河町 東町かしわ
参考文献
久保和也・柴田 賢・佐藤博之(1984)北海道浦河地域のランプロファイアーのK一Ar年代.地調月報,第35巻,第2号,87-90.
久保和也・佐藤博之(1984)北海道浦河地域のランプロファイアー.地質学雑,第90巻,第10号,717-731.
酒井 彰・蟹江康光(1986)地域地質研究報告(5万分の1地質図幅)「西舎地域の地質」.地質調査所.
和田信彦・高橋功二・渡辺 順・蟹江康光(1992)5万分の1地質図幅「三石」および説明書.北海道立地下資源調査所.
地学団体研究会編(1996)新版地学事典.1323p.