釧路岩見海岸の浦幌層群基底不整合と河川成層
釧路市益浦の,通称岩見海岸では,白亜紀~古第三紀前弧海盆堆積体の根室層群と,それを不整合に覆う古第三紀始新世挟炭層の浦幌層群を,大規模な海岸露頭で観察することができます.地質時代のメジャーな不整合関係が,これほど大規模に露出するのは,北海道でも他に例を見ない貴重なものと言えます.
不整合は,桂恋漁港西はじから岩見海岸東側にかけて観察されます.根室層群汐見層の成層砂岩は厚層で層理面はほぼ水平です.浦幌層群最下部別保(べっぽ)層の基底礫岩は,汐見層の上に凹凸のある浸食面をもって載っており,不整合関係が明らかです(写真1・2).
別保層の上部は,斜交層理を示す礫岩砂岩互層となり,岩見海岸の西部にかけて,その上位にシルト岩に石炭層を挟む春採(はるとり)層が重なります.春採層の上には,弱い浸食面を持って天寧(てんねる)層の礫岩が重なっています(写真3).この礫岩は通称『赤玉』と呼ばれ,赤色チャート礫が特徴的なものです.天寧層の上位には,斜交層理砂岩・シルト岩からなる雄別層が,西方の興津海岸にかけて露出しています.
所在地
釧路市 益浦
参考文献
七山 太・亀村孝子・金松敏也,1999,釧路海岸<浦幌層群の層序と堆積システム>.道東の自然を歩く,36-41,北海道大学出版会.
関連するジオサイト