静穏な海底の火山活動の歴史絵巻を読む
今金 住吉橋の黒松内層と八雲層
住吉橋の上から後志利別川の上流を眺めてみましょう.右岸側に薄茶色〜黄灰白色の地層の縞模様が見えます.さあ,住吉橋の右岸側の階段から川岸に降りてみましょう.ただし雨天時や増水時には絶対に川に近づかないでください.
橋の付近では白色の軽石がぎっしり詰まった厚い層が見られます.これらは火山活動で放出された軽石・火山灰が海底で堆積した地層です.一方,上流には厚さ10〜数10cmの堅い層状の地層が厚く累重しています.層自体は平板ですが,層の傾斜と地形面のため一見,湾曲して見えます.また生痕化石が観察される層もあります.橋付近の地層は「黒松内層」,上流の地層は「八雲層」と呼ばれています.では両層の境界はどこなのでしょうか?
まず既存資料に捉われず上流の地層をA層,下流の地層をB層としてそれぞれの特徴を記述してみましょう.B層が始まる(もしくはA層が終了する)位置が境界です.とは言うものの,おそらく記述する人によって「地層の特徴」や「境界位置」は微妙に違うことでしょう.実は地層境界は一意的に決まるとは限らないのです.ただこの辺りに境界があるということであれば,大方の意見の一致をみることでしょう.
所在地
今金町 住吉 住吉橋(旧国道230号)
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参考文献
地学団体研究会道南班 編(2002)地質あんない 道南の自然を歩く[改訂版].282p.
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