初期有珠山の側火山
壮瞥町のドンコロ山スコリア丘
有珠山は約1万年前に成層火山として活動を開始し,約7,000-8,000年前に山体崩壊が発生した.この二つの事件の間の時期に有珠山の側火山として北西山麓でスコリア丘を形成したのがドンコロ山である.早川(2003)は洞爺火砕流の噴火は海洋同位体ステージ5.4で10万5千年前,ドンコロ山スコリア丘の噴火は4万8千年前頃と判定している.
この露頭では,下部に黒色のスコリア層があり,その上に水蒸気爆発や小噴火の繰り返しを示す噴出物が載っている.赤褐色の風化層を経て灰白色の1663(寛文3)年の降下軽石層が堆積している.
なお,ドンコロ山スコリア丘の露頭は新山沼(しんざんぬま)展望公園となっていて,露頭をじっくり観察できる.新山沼というのは昭和新山が成長して,壮瞥川がせき止められできた沼である.
既存の指定など
支笏洞爺国立公園
洞爺湖有珠山ジオパーク
所在地
壮瞥町
参考文献
日本地質学会編(2010)日本地方地質誌 1 北海道地方.303-306.朝倉書店.
早川由起夫(2003)インターネット・ホームページに即時公開記録した有珠山2000 年噴火とリスクマネージメント<http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/publication/paper/usu2000.pdf>