マグマ活動でつくられた地溝と火口
洞爺湖西山山麓火口散策路
| 旧国道230号:2000年の噴火前は,ここからは下りの直線道路であったが向こう側(噴火湾側)が隆起しために沼が形成された.この沼は西新山沼(にし・しんざんぬま)と名付けられた.前方の尾根は西山の裾野でその右側に西山火口群がある.【写真: 石井 正之】 次の写真 |
| 旧町道の地溝:散策路のすぐ脇で見ることができる.前方が持ち上がり正断層によって溝が出来た.【写真: 石井 正之】 前の写真次の写真 |
| わずかに蒸気をあげている西山火口:現在もあちこちから蒸気が上がっている.向こうの山は西山である.【写真: 石井 正之】 前の写真次の写真 |
| 旧町道脇にあった菓子工場:地溝に囲まれて破壊され,屋根には噴石でできた穴が見える.散策路はこのまま山を下っていく.前方左側は7,000-8,000年前に発生した山体崩壊時に流下した善光寺岩屑なだれで形成された小さな岬と虻田漁港である.【写真: 石井 正之】 前の写真 |
2000年の有珠山噴火では西麓の金比羅山や西山周辺で噴火活動や地形変動が著しかった.その状態が残されているのが,この西山山麓火口散策路である.陥没して沼になった旧国道230号,マグマの上昇によって出来た地溝(グラーベン),今も噴気をあげている火口,噴石で穴のあいた建物の屋根など火山の力を身近に見ることができる.
【執筆者:石井 正之】
既存の指定など
支笏洞爺国立公園
洞爺湖有珠山ジオパーク
所在地
洞爺湖町 泉
参考文献
宇井忠英・岡田 弘・加賀屋仁左衞門(2011)洞爺湖有珠山ジオパークガイド02 金比羅山・2000年噴火遺構公園ルートを歩く 第2版.