滑らかな曲面
厚沢部 厚層砂岩 鶉層
厚沢部町鶉地区に分布する砂岩層は,遠目,滑らかかな表面を呈する.地質屋の独特の感性なのかもしれないが,滑らかな肌色に近い曲面,パッと見,艶かしい印象を受ける.下位からクロスラミナの発達する厚い粗粒な砂層,平行ラミナの発達する薄い細粒な砂層の塁重をユニットとして,このユニットが繰り返している.屹立した露頭をみると固い岩石のようにも見えるが,ハンマーで弱く叩くだけで,海浜の砂のように崩れる.化石の産出は少ないが,海棲貝化石を産出の報告がある.鶉層と同時期の地層として瀬棚層が有名である.
鶉地区では,本層を対象に砂の採取が行われて来た.写真の露頭も採取場跡である.危険であるし,作業の邪魔にもなるので露頭には近づかず,国道からの遠望にて観察しよう.
所在地
厚沢部町 鶉地区
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参考文献
角 靖夫・垣見 俊弘・水野 篤行(1970)5万分の1地質図幅「江差(札幌-78)」および同説明書.北海道開発庁,53p.
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