火山円礫岩上を流れた溶岩
浜益区 幌の玄武岩溶岩
説明:
国道231号の石狩市浜益区幌(ぽろ)の集落を過ぎると道路は海岸にでて,山側は高さ50-60mの断崖が連続する.崖の浜益側は,ほぼ鉛直の柱状節理の発達した黒灰色の玄武岩溶岩である.この玄武岩は浜益玄武岩類と呼ばれるもので,全体は灰色に近い色をしている.緑がかったアメ色のかんらん石の結晶が散点している.崖を増毛方面に見ていくと崖の下部にレンガ色の層が見える.これは,溶岩の下底を示すクリンカーで溶岩流独特の岩相である.クリンカーの厚さは5m程度である.
さらに増毛方面に行くと下位の火山円礫岩が斜面主要部を占め,玄武岩溶岩は斜面上部にのみ見られるようになる.
浜益玄武岩類は恵岱岳玄武岩に対比され,約260ー300万年前に形成されたとされている.
既存の指定など
暑寒別天売焼尻国定公園(1990年(平成2年)8月1日指定)
所在地
石狩市 浜益区幌
参考文献
Aoki,A. et al (1999) Stratigraphy and K-Ar ages of Tertiary volcanic rocks in the Hamamasu area northwestern Hokkaido,Japan.Jour.Geol.soc.Japan,Vol.105,No.5,341-351.
岡村 聡ほか(2000)中央北海道,浜益地域の新生代火山岩類のK-Ar年代と地球化学−島弧海溝部テクトニクスに起因するマグマ組成の時間的変化−.地質学雑,第106巻,第5号,330−346.