馬追丘陵の最終間氷期堆積物
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内湾性堆積物・河川堆積物・湿地堆積物そして火山砕屑物

馬追丘陵の最終間氷期堆積物

露頭の全景.下位から早来層・厚真層・本郷層・テフラからなる.高角の共役断層による変形が著しい.スケールは2m.【写真: 太田勝一】
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厚真層は淘汰良好な砂層で,小型のトラフ型斜交葉理が発達.本郷層は,下位からトラフ型斜交葉理の礫,逆級化の砂泥互層,粘土,泥炭からなる.泥炭の上位の灰白色のテフラはToya.【写真: 太田勝一】
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早来層上部の層相.写真の下半部は波状層理の発達した砂泥互層で生痕化石が多いことから,干潟堆積物と考えられる.上半部の褐色の砂・砂礫は,トラフ型斜交葉理が発達し根化石を伴う河川堆積物.【写真: 太田勝一】
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約150m南に隣接する小露頭で,早来層に挟在される未同定テフラとカキ化石.層厚8cmほどの褐色粗粒火山灰からなる.斜方輝石と普通輝石が卓越し、灰白色の軽石粒を多含する.テフラ付近にはほぼ直立したカキ化石が散在する.【写真: 近藤 務】
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露頭は,馬追丘陵の南端部に位置する切土跡地である.最終間氷期前後の地層である早来層・厚真層・本郷層と多数のテフラが観察できる.

早来層は生物擾乱の粘土を主とし,カキ化石を含む.上部は細砂との互層で,波状層理と生痕化石が発達する.最上部は,トラフ型斜交葉理と植物根化石を伴う砂・礫からなる.上方粗粒化し,内湾→干潟→河川の堆積環境を示すと考えられる.また,未同定テフラを挟在し,輝石と軽石粒を多含する粗粒火山灰からなる.

厚真層は,トラフ型斜交葉理の発達した淘汰良好な砂層からなる.上部外浜堆積物と考えられる.

本郷層は下位から礫・砂泥互層・粘土・泥炭からなる.礫層は亜角礫を主とし,トラフ型斜交葉理が発達する.砂泥互層には逆級化構造と根化石が見られる.礫質河川→蛇行河川→湿地の堆積環境を示すと考えられる.泥炭の上位にToya火山灰を伴う.

本露頭の上方の切土跡地では,Toya火山灰の上位にクッタラ降下火山灰, 支笏降下軽石堆積物層,恵庭降下火山灰,樽前降下火山灰, 有珠火山灰などが堆積している.最上部のTa-d〜Ta-cの間から縄文時代中期の土器・石器が見出され,「上野1遺跡」として登録されている.

【執筆者:太田勝一・最終間氷期勉強会・厚真町教育委員会】

既存の指定など

上野1遺跡(厚真町)

所在地

厚真町 上野96-1

参考文献

井島ほか (2010) 北海道野幌丘陵東翼部における中の更新世テフラの特性.第117年日本地質学会学術大会,ポスター発表.
馬追団体研究会(1983)北海道中央部馬追丘陵南東の中・上部更新統ー2つの海進について.地球科学,37巻,1号,8−21.
大津ほか (2002) 北海道活断層図No.4「当別断層および南方延長部」活断層図とその解説.北海道,107p.
最終間氷期勉強会(2010)2010巡検資料.