地質学的解釈の変遷
幌別三段の滝
登別市の奥,胆振幌別川支流カマンベツ川の上流に「幌別三段の滝」がある.白く泡立った水が傾斜のある斜面を,まるで白い衣を纏ったように流れている.この滝を構成する岩石は室蘭層デイサイト質火山礫凝灰岩(和田ほか,1988)である.
本地区には広く緑灰色〜淡緑灰色を呈する酸性凝灰岩や溶岩が広く分布しており,幌別層として一括されていた(斉藤ほか,1953).しかし,和田ほか(1988)は地熱資源開発のための精密な調査により,幌別層と一括されていた緑色凝灰岩類中に不整合を見いだした.また八幡・西戸 (1989)はK-Ar年代測定によりその不整合関係の妥当性を追認した.この地域の緑色を帯びた火山砕屑岩類は,下位から中新世の幌別層,滝ノ川層,鹿ノ沢層,その上位に鮮新世の室蘭層に区分されている(和田ほか,1988).
所在地
登別市 鉱山町胆振幌別川上流
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参考文献
和田 信彦・八幡 正弘・大島 弘光・横山 英二・鈴木 豊重(1988)西胆振地域の地質と地熱資源.地下資源調査研究報告,19,93p.
斉藤 昌之・小山内 熙・酒匂 純俊(1953)5万分の1地質図幅「登別温泉(札幌-61)」および同説明書.北海道立地下資源調査所,84p.
八幡 正弘・西戸 裕嗣(1989)西南北海道東部・西胆振地域の新生界のK-Ar年代について.地質雑,95,381-390.
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