「みかげ石」を観察しよう
北檜山 水垂岬の花崗岩
花コウ岩(御影石)がどのような岩石であるかを観察するに適した場所である.日本海の荒波に気をつけながら表面を観察してみよう.白色の鉱物と黒色の鉱物が組合わさっている.白色の鉱物は長石,より灰色味を帯びた透明な鉱物が石英である.黒色の鉱物は黒雲母と角閃石である.なお顕微鏡で観察すると角閃石の中央部に輝石が残存している産状が見られる.
ここで見られる花コウ岩は7×9kmの範囲に分布する久遠岩体である.黒雲母K-Ar年代値は114Maであり,白亜紀に貫入したとされる.岩石学的にみると花崗閃緑岩を主体とするが,トーナル岩やアダメロ岩の部分も認められる.岩体周縁部では松前層群に接触変成作用を与えており,典型的なホルンフェルスはすぐ北側の鵜泊岬で観察できる.
既存の指定など
狩場茂津多道立自然公園
所在地
せたな町 北檜山区 水垂岬
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参考文献
佐藤 文男・白幡 浩志(1965)西南北海道の花崗岩質岩の岩石化学的研究.岩石鉱物鉱床学会誌,54,14-22.
河野 義礼・植田 良夫(1966)本邦産火成岩のK-A dating (IV) -東北日本の花崗岩類-.岩石鉱物鉱床学会誌,56,41-55.
日本の地質「北海道地方」編集委員会編(1990)第2章 中・古世界.日本の地質1「北海道地方」共立出版,5-45.
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