尾根に連なる数多くの太い柱
愛別 石垣山の柱状節理
あいべつオートキャンプ場から南を望むと石垣山(525m)の絶壁がある.その絶壁は径が数mはあろうかという太い柱状節理から構成されている.層雲峡から石狩川沿いには,柱状節理を伴う溶結凝灰岩の数多くの絶壁がみられるが,愛別石垣山の絶壁は,実はこれらとは異なり,東山溶岩とよばれる安山岩溶岩流である.この溶岩は当麻町東部の米飯山を形成している溶岩の末端部である.米飯山溶岩からは3.4MaのK-Ar年代値が報告されており,大雪山や十勝岳よりも古い鮮新世の火山活動の産物である.なお柱状節理より下位の地層は日高累層群である.
石垣山は愛別発電所を入口とする登山道が整備されている.柱状節理の根元に到達すると,延々と根元に沿って北北西に進む.やや単調ではあるが,丸みを帯びて木の幹のような,太く迫力のある柱状節理を観察してみよう.9合目の「相愛岩」から柱状節理の上部へと向かう.頂上(登山ルートとしての)をはじめとしていくつか展望台があるので,柱状節理が作る絶壁を直に感じながら,石狩川の作る平坦な地形を眺めてみよう.
所在地
愛別町 石垣山
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参考文献
藤原 哲夫,庄谷 幸夫 (1964) 5万分の1地質図幅「愛別(網走-31)」および同説明書. 北海道立地下資源調査所, 44p.
池田 保夫,田近 淳 (1988) 北海道中央部,米飯山溶岩(安山岩)のK-Ar年代. 岩鉱, 83, 170-173.
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