神秘なまでに青い水
美瑛 青い池
美瑛町白金に「青い池」と呼ばれる池があります.数年前まで地元の人しか知らない隠れた名所でしたが,名前が知られるようになり,現在は駐車場・遊歩道が整備されています.この池は美瑛川の砂防工事に伴い作られた人工の池です.駐車場から遊歩道を進むと樹木の隙間から青い水面が見えてきます.水没したため枯れた樹木と相まって幻想的な風景となっています.上流の「しらひげの滝」付近の美瑛川の水も青く,この水が貯留されることで青味が強調されているようです.写真撮影をした日は,美瑛川本流の堰堤に貯留された水面の青色の方がきれいだったように思えます.
美しい色の水面をもつ湖沼は,五色沼(福島県)が有名で,青白色の青沼,スカイブルーの弁天沼,見る場所で色が変わる瑠璃沼などがあります.この他にも,エメラルドグリーンの「蔵王お釜(山形県)」「草津白根湯釜(群馬県)」「阿蘇山火口湖(熊本県)」,コバルトブルーの「えびの高原不動池(宮崎県)」なども有名です.
水の色は,水中のコロイド粒子によるレイリー散乱,水に浮遊する鉱物や微生物などの不純物自体の色,水底の色や周囲の色の反射光などが合成された光として眼に入ったものであるため,主たる原因が何かを決定することは難しい場合が多いようです.火山近辺の熱水・地下水は金属イオンの溶解量が高い場合が多く,流下に伴い変化する条件によって浮遊コロイドや沈殿物を形成しやすく,特徴的な色の水面となっていることがあります.
所在地
美瑛町 白金
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参考文献
足立 泰久,岩田 進午 (2003) 土のコロイド現象 土・水環境の物理化学と工学的基礎. 学会出版センター, 451p.
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