えぞ海盆に最初に到達した陸源砕屑物
岩石橋の“下部蝦夷層群”タービダイト
白亜紀初頭に,沈み込んでいた海洋プレートがトラップされて前弧海盆の基盤となり,海洋プレートを覆っていた半遠洋性堆積物の上に陸源性砕屑物が運ばれて,前弧海盆堆積体(蝦夷層群)が堆積した.
蝦夷層群の最下部には,厚層理粗粒の砂質タービダイト層が特徴的に見られるが,これが蝦夷前弧海盆に最初に到達した陸源性砕屑物である.
日高町中心部の東方,沙流川にかかる岩石橋の上流側たもとには,この蝦夷層群最下部のタービダイト砂岩層が露出している(写真1).一枚一枚のタービダイトの厚さは数十cm~1 m以上に及び,大量の土砂が運搬されてきたことが分かる.
タービダイト層の下底面には,さまざまなソールマークが観察される(写真2).また,この場所の上流対岸にも同じ地層が露出しており,生痕化石も見いだされる(写真3).
所在地
日高町 千栄西方沙流川岩石橋付近
参考文献
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