道北地方西部の中期中新世酸性火成活動
歌登 ツネオマナイ川上流の塊状流紋岩
歌登市街から道道120号線を南下し,大奮(オフン)市街を右手に入る.しばらく進み,オフンタルマナイ川を渡る橋から分岐するツネオマナイ川沿いの林道をひたすら走る.なおオフンタルマナイ川沿いの林道を進むと旧本庫鉱山に到達する.函岳の北東側の奥深くに黄色を帯びた白色の崖が現れる.これがツネオマナイ川の流紋岩である.道北には,下川サンルや北見枝幸音標などに分布するが,いずれも斑晶量が少なく流理構造の発達する岩石であることが多い.
本流紋岩は黄色を帯びた白色を呈する岩石であるが,黒~灰色の薄い縞模様が発達する.この縞模様が発達する新鮮な面はきれいである.白色部はやや発泡しているが,黒色部は発泡しておらず滑らかな表面である.「石器にでもなるかな」と思われるほど鋭利な面で割れる.
本流紋岩は周囲の中新世の地層に貫入していると考えられるが,その貫入時期や大規模安山岩活動との関連性,加えて尾根を南に一つ越えた本庫鉱床(オフンタルマナイ川上流)との関連が疑われるものの詳細は不明であり,今後の調査が望まれる.
所在地
枝幸町 歌登ツネオマナイ川上流
参考文献
長谷川ほか(1962)5万分の1地質図幅「音威子府(旭川-21)」および同説明書.北海道開発庁,48p.
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