140万年前の浅海底の水流の化石(剥ぎ取り標本)
野幌丘陵「裏の沢層」露頭の斜交成層
斜交成層剥ぎ取りサンプル作成の経緯: 2000年に北広島市中の沢の道都大学西脇に道路法面工事の際に裏の沢層の斜交成層露頭(サイズ:10×15 m)が出現した.北広島市により,露頭の一部から転写法により斜交成層の剥ぎ取りサンプルが作成され(2002年末),同市中央公民館1階ロビーに展示された.これが2009年9月になって北広島市初の文化財に指定された.
斜交成層の古環境・成因・堆積年代: この斜交成層の特徴は,セット厚が1.5 m程度と非常に厚いことにある.海岸からやや離れた浅海あるいは河口地域において,暴風時の波浪営力などによって形成されたメガリップル堆積物の累積(サンド・リッジ)であるとみられる.堆積年代は軽石質砂層に含まれる軽石中のジルコンをFT法により年代測定した結果,およそ140万年前と推定された(横平,2002;測定者輿水達司).
既存の指定など
北広島市指定文化財(2009年9月1日)
所在地
北広島市 北広島市中央公民館1階ロビー
リンク
参考文献
横平 弘,2002,道都大学札幌キャンパス付近に出現したクロスラミナ構造,道都大学紀要・美術学部,28号,p.71-75.
北川芳男,2003,北広島でみられるクロスラミナ層,文化情報,第255号,p.2,北海道文化財保護協会.