海底火砕岩の堆積構造
小樽奥沢の火山砕屑岩
小樽市街とそれを取り巻く山地には火砕岩類が広く分布している.下位には安山岩質ハイアロクラスタイトがあり,それを覆って軽石を含む火砕岩類と軽石凝灰岩が分布している.これらは海底に堆積したものである.小樽市街の西にあり,市民の憩いの場となっている天狗山は陸上に噴出した溶岩である.
ここに示した露頭では下位の安山岩質火山角礫岩(二次堆積性の火山砕屑岩)にオンラップ(連続的な海進=堆積域の拡大によって生ずる不連続面)の関係で軽石凝灰岩が堆積している.両者の関係を見ることが出来る数少ない露頭である.
これらの火砕岩類は,勝納層(かつないそう)と呼ばれており,安山岩質ハイアロクラスタイトの年代は9.8Ma±0.5Ma(八幡ほか,2000)で,後期中新世である.
所在地
小樽市 奥沢4丁目
参考文献
杉本良也(1957)5万分の1地質図幅「小樽東部(札幌-11)」および同説明書. 北海道立地下資源調査所, 20p.
山岸宏光ほか(1997)小樽市の地質環境.小樽市.
八幡 正弘ほか(2000)西北海道,小樽−赤井川地域に分布する新第三系火山岩層序と鉱化作用. 北海道立地質研究所報告,no., 71, 49-58.