陸の孤島に落つる瀑布
雄冬 白銀の滝
石狩と留萌をつなぐ国道231号線は,雄冬岬周辺の未通区間が1981年に開通し,20余年の工事期間を経て完成した.この開通にあわせて雄冬岬付近から海へ落つるこの滝を「白金(しろがね)の滝」と命名した.現在はパーキングとして整備されており,完成を祝う記念碑が建っている.
白銀の滝の本体部は滑らかな表面を有する塊状の溶岩からなる.この上位には火山岩の亜角礫を多量に含む火山角礫岩が累重する.この火山角礫岩は層状〜ラミナ構造が発達している.滝に向かって左手には,溶岩と火山角礫岩を貫く岩脈が観察される.わかりにくいので目を凝らして探してみよう.滝壺部は赤褐色を呈する火山角礫岩が見られる.これは溶岩の下部に発達する自破砕部であると思われる.また周囲には黄灰色の丸みを帯びたブロックが転がっている.これはハイアロクラスタイトである.滝に向かって右手上方から雄冬岬トンネルにかけて前述の火山角礫岩の上位に累重しているものからの落石である.
既存の指定など
暑寒別天売焼尻国定公園
所在地
石狩市 浜益区雄冬
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参考文献
地質調査所(1963)5万分の1地質図幅「雄冬(旭川-45)」および同説明書.38p.
Aoki,A. et al., 1999, Stratigraphy and K-Ar ages of Tertiary volcanic rocks in the Hamamasu area northern Hokkaido,Japan. J.Geol.Soc.Jap., 105, 341-351.
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