海洋プレートの断片
小砂子の海洋性岩体
付加体は極言すれば,海洋プレート構成岩体と陸源砕屑物の海溝充填堆積物の混合地質体といえる.そのため,付加体中には,時にかなりの規模の海洋プレートの断片(海洋性岩体)が含まれていることがある.
上ノ国町小砂子(ちいさご)の日方泊(ひなたどまり)岬には,かなりの規模の海洋性岩体の露出が見られる(写真1).この岩体は最下部の玄武岩枕状溶岩に始まり,玄武岩質火砕岩・砕屑性石灰岩の互層からなる(写真2).さらにこの互層の上位には,成層チャート・石灰岩礫岩がかさなっているが,この露出では見ることはできない.その岩相的特徴から,海山周辺斜面で堆積した海洋プレート上の堆積物と考えられる.
日方泊岬の海岸露頭には,以前は容易に立ち入ることが出来たが,数年前に小砂子漁港の改修工事に伴って巨大な防波堤・護岸が建設され,立ち入りはほとんど不可能になってしまった.灯台付近の路傍から遠望するしかない状態となっている(写真1).
所在地
上ノ国町 小砂子・日方泊岬
リンク
参考文献
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