北海道駒ヶ岳
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山体崩壊と堰止め湖と津波

北海道駒ヶ岳

赤井川登山道の馬ノ背から見た剣ヶ峰:ゴツゴツした独特の山容を示す.構成しているのは灰黒色の輝石安山岩(駒ヶ岳溶岩)である.左のなだらかな山体は円山で1929年噴火時の火砕物で覆われている.【写真: 石井正之】
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砂原岳:山体に北に聳えるピークである.中央のなだらかな山体が砂原岳の山頂で,1929年噴火より古い火砕流で構成されている.右側の黒色の山体は駒ヶ岳溶岩で形成されている.手前の白く見える堆積物は1942年爆発噴出物で火山灰であろう.【写真: 石井正之】
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1942年噴火の割れ目:火口原を北北西から南南東に横切る約1.6kmの開口割れ目である.【写真: 石井正之】
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木地挽山パノラマ展望台から見た駒ヶ岳と大沼・小沼【写真: 石井正之】
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北海道駒ヶ岳,は亀田半島の基部にある最も活動的な活火山の一つである.最新の噴火活動は1996年から2000年にかけてのもので,その後,静穏期に入ったと考えられている.駒ヶ岳には二つにピークがある.一つは山体の西にある剣ヶ峰(標高1,131m),もう一つは山体の北にある砂原岳(標高1,112.2m)である.剣ヶ峰の山頂付近と砂原岳の西側は輝石安山岩の駒ヶ岳溶岩が露岩している.その周辺には1929年噴火より古い山頂部の火砕流が分布している.

1640年噴火では山体崩壊による岩屑なだれが発生し南と東に流下した.南に流下した岩屑なだれによって折戸川が堰き止められ大沼,小沼が形成された.東に流下した岩屑なだれは内浦湾に流れ込み大規模な津波が発生した.この津波による死者は700名余りである.

【執筆者:】

既存の指定など

大沼国定公園

保健保安林

駒ヶ岳自然休養林

所在地

森町

七飯町

鹿部町

参考文献

勝井義雄・岡田 弘・中川光弘(2007)北海道の活火山.北海道新聞社,18-33.
勝井義雄・鈴木健夫・曽屋龍典・吉久泰樹(1989)北海道駒ヶ岳火山地質図.地質調査所.
北海道立地下資源調査所(1986)5万分の1地質図幅「駒ヶ岳(札幌-76)」および同説明書.45p.