支笏カルデラからやってきた
御前水のテフラ
支笏火山の噴出物は,降下軽石堆積物・火砕流堆積物として,苫小牧・千歳地域に膨大な分布面積を持っているが,それを平野地域で手軽に観察できるところは実はそう多くない.火山灰採取場や造成地はいくつかあるが,稼働・造成中は立ち入りの許可を得るのが難しく,採取・造成作業が終了すると植生付加などで現状復帰が行われるのが通常だからである.この露頭は,採取場や造成地ではなく,比較的安定した状態で支笏火山噴出物が良好に露出する貴重な露頭である(写真1).
露頭下半部が葉理・層理の著しい厚い降下軽石堆積物(Spfa)で,その上に厚さ数mの塊状無構造の軽石流堆積物(Spfl)が乗る.降下軽石堆積物の中には,直立炭化樹幹が見られることがある(写真2)が,侵食の状況によるので常時見られるわけではない.軽石流堆積物の上位には,降下軽石堆積物や火山灰が何枚か乗っている.恵庭岳・樽前山起源のものを含むと思われるが詳細は不明.
所在地
千歳市 美沢付近
リンク
参考文献
地質調査所(1980)5万分の1地質図幅「千歳地域の地質(札幌-42)」および同説明書.92p.
関連するジオサイト