支笏火砕流堆積物の露頭
札幌軟石石切場跡(藻南公園)
約4万年前に支笏火山が巨大噴火を起こし、支笏カルデラが形成されました(現在の支笏湖の原型)。その噴火によって噴出された支笏火砕流堆積物は、札幌市内や千歳、苫小牧など広い範囲に堆積し、現在の火砕流台地をつくりました。
藻南公園の札幌軟石石切場跡は、厚く堆積した支笏火砕流堆積物の露頭が観察されます。高温を保ったまま堆積した火砕流堆積物は、接触面である底面や表面が急に冷される一方で、中央部は高温の熱と重みで溶けて固まって溶結部を形成しています。
明治時代には、その溶結部が石材として注目され、札幌軟石として開拓時代の主要な建築物(札幌市資料館や小樽運河の倉庫群など)の資材として利用されるようになりました。現在の石山地区は、最も盛んに札幌軟石の採掘が行われていました。この石切場跡には、当時の札幌軟石の切出し状況を解説したパネルが設置されています。
所在地
札幌市 南区真駒内
参考文献
町田・新井(2003)新編 火山灰アトラス.東大出版会,336p.
土居・小山内(1956)5万分の1地質図幅「石山」および同説明書.北海道立地下資源調査所.
地学団体研究会 札幌支部(1984)札幌の自然を歩く−第2版−.北海道大学出版会