250万年前に活動した火山
札幌の象徴 藻岩山
藻岩山は標高536.8m古い火山である.南に緩く裾を引く形をしているのはこの尾根が溶岩流によって形成されたためである.
藻岩山の基底部を構成しているのは火山砕屑岩類や泥岩の西野層(約3.8Ma.Ma=百万年前)で,藻岩山の標高約200m以下の緩い地形を構成している.この地層は五輪大橋付近の河床で観察できる.
藻岩山を構成する火山岩で最も古いのは軍艦岬の輝石安山岩(約2.8Ma)である.藻岩山本体は山頂の東から南東に分布する溶岩(約2.6Ma:観光道路の尾根) とスキー場の北西側の尾根を構成する溶岩(2.4Ma)とで構成されている.いずれも,かんらん石安山岩である.
藻岩山スキー場の緩斜面には,最終氷期に形成された山麓緩斜面堆積物(角礫質の岩屑堆積物)が分布している.
なお,藻岩観光道路は自動車専用道で,歩くのは禁止されている.
既存の指定など
国指定天然記念物 藻岩原始林(1921(大正10)年3月)
所在地
札幌市 南区藻岩山
参考文献
地学団体研究会札幌支部編(1984)地質あんない/札幌の自然を歩く (第2版),78-81.北大図書刊行会.
岡村 聡,青柳大介(2007)4 藻岩山における火山形成史.札幌市大型動物化石総合調査報告書−サッポロカイギュウとその時代の解明−,52-59.札幌市.
小山内 熙,杉本良也,北川芳男(1956)5万分の1地質図幅「札幌」および同説明書,18-19.北海道地下資源調査所.