ユニークな形成過程をもつカルデラ
赤井川カルデラ
赤井川カルデラは東北東−西南西に長軸を持つ内径6〜7kmの長方形のカルデラである.北東に開いた弧の形に余市川が流れ,その東岸に赤井川カルデラの外輪山が連なっている.北から反時計回りに元服山,大黒山,丸山,石山などである.カルデラの南から赤井川が流れ出して余市川と合流している.このカルデラの最大の特徴は,火砕流の噴出とその後の外輪山溶岩の形成後に,環状断裂に沿って内側が陥没してカルデラが形成されたと考えられることである.最初の火砕流の噴出は約200万年前で,その後約40万年間の休止期があり,約160万年前から再び火砕流が噴出し,それに引き続いて外輪山溶岩が流出した.
なお,このカルデラは二重カルデラと考えられてきており,外側のカルデラを余市川カルデラと呼んでいる.
所在地
赤井川村 赤井川
参考文献
横山 光・八幡正弘・岡村 聡・西戸裕嗣(2003)西南北海道,赤井川カルデラの火山層序とカルデラ形成史.岩石鉱物科学,32巻,80ー95.
北海道開発庁(1954)5万分の1地質図幅「仁木(札幌-19)」および同説明書.65p.