ミルク色の硬質頁岩とノジュール
模式地の八雲層
八雲層は中新世中期~鮮新世初期の地層で,主に硬質頁岩と泥岩の互層からなり,凝灰岩・砂岩を伴う.粗粒な火砕岩を伴うこともある.ときに石灰質ノジュールを伴う.模式地はユーラップ川中流部である.露頭①は平野部から丘陵部へ少し入った場所で,鶴田知也文学碑下のユーラップ川右岸の崖である.文学碑横から急斜面を河原に降りる通路がある.層理の発達したミルク色の硬質頁岩主体の八雲層をユーラップ川が横谷をつくって流下する.径数10cmの石灰質ノジュールも見ることができる.この露頭はユーラップ川の攻撃斜面で浸食が進んでいるため,いずれ護岸工事で覆われると思われる.
上流のペンケルペシュベ川に沿う林道に入って約1km(②)には直径1m以上のノジュールを含む硬質頁岩の露頭がある.八雲層のノジュール中からはオウナガイなどの貝化石が見つかっている.
所在地
八雲町 春日,ユーラップ川右岸および上八雲,ペンケルペシュベ川
参考文献
加藤 誠ほか編(1990):「日本の地質1 北海道地方」.共立出版.
地学団体研究会道南班 編(2002):「道南の自然を歩く-改訂版」.北大図書刊行会.