険しい海崖が続く
黄金道路の日高累層群と斜面崩壊
えりも町から広尾町に抜ける国道336号線は,別名『黄金道路』と呼ばれる.岩石海岸の比高の高い急崖の下を通る国道の建設には莫大な経費がかかり,それが名称の由来となっていると言われる.国道の斜面災害という観点からは,日本海側の229号線と並んで,もっとも注意を要すべき路線であるといえる.
黄金道路には,白亜紀~古第三紀付加体で砂岩泥岩互層を主体とする中の川層群と,それを貫く花崗岩類が分布し,中の川層群の一部はホルンフェルス化している(写真1).
ホルンフェルス化の見られない広尾町側では,斜面崩壊は主に斜面上部から発生し,落下する岩塊の大きさが小さい(写真2)ので,大きな被害にはなっていない.しかしホルンフェルス化の著しいえりも町側では崩壊岩体の規模と岩塊の大きさが大きくなる傾向があり,出尾根部の崩壊により人的被害も発生している(写真3).
こういった危険箇所については,トンネル化による回避措置や斜面対策が進行しており,安全性は確実に高まってきている.
所在地
えりも町 宇遠別から
広尾町 フンベまで
リンク
参考文献
参考文献:未入力
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