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豊浜トンネルを上回る崩壊土量

島牧村 第二白糸トンネル岩盤崩落

崩壊面全景:最上部に堆積構造の明瞭な砂岩・礫岩層があり崩壊面の主体は白色のハイアロクラスタイトである.斜面下部には直方体の巨大な崩落岩塊が見える. 【写真: 石井 正之】
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崩壊頭部の状況【写真: 石井 正之】
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崩壊脚部の状況【写真: 石井 正之】
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 国道229号,第二白糸トンネルの瀬棚側坑口で大規模な岩盤崩落が発生したのは1997年8月25日午後2時30分頃である.崩壊した岩塊の土量は約2万立方メートルであった.幸い,犠牲者はなかった.

 崩落した斜面を形成している地質は,新第三紀中新世上部のオコツナイ層で下位から礫岩・凝灰岩層,角閃石安山岩質ハイアロクラスタイト,砂岩・礫岩層の3層に分けられる.全体としては海側に緩く傾いた流れ盤構造である.

 崩壊箇所は最上部の砂岩・礫岩層が岩峰を形成しており,その下位のハイアロクラスタイトは尾根状の地形となっている.

 崩壊の原因は下部の凝灰岩が浸食され,その上位のハイアロクラスタイトがオーバーハングを形成していたこと,この二つの層の境界が水みちとなっていたことが素因となり,平年より4倍多い降雨がトリガーとなったと考えられる.

【執筆者:石井 正之】

所在地

島牧村 オコツナイ

参考文献

北海道立地下資源調査所(1987)5万分の1地質図幅「原歌および狩場山(札幌-35,46)」および同説明書.36p.
山岸宏光(1997)北海道島牧村の第2白糸トンネル崩落に関する地質解釈.北海道立地下資源調査所 山岸宏光氏のコメント.<yamagisi.htm/www2.tky.3web.ne.jp>