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Hyakusenbannar

礫岩露頭．左側の色の明るい部分が礫岩．その右側は含礫泥岩．右が層位学的上位．【写真: 川村信人】
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礫岩のクローズアップ．礫は最大で人頭大のものまである．礫種は，島弧性火山岩類と，古期付加体起源の岩石（チャート・石英質砂岩）を主体とする．【写真: 川村信人】
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礫岩層（右）とその下位の砂泥互層（左）．侵食・斜交関係は認められない．礫岩層の底面にはソールマークも観察される．【写真: 川村信人】
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北海道を代表する地層である白亜系蝦夷層群の中には，不整合関係を示す部分があるとされていた．それが“中部蝦夷層群”の基底礫岩である．しかしそのほとんどは，最近の研究によって否定され，不整合は北海道の南部地域に限られることが分かってきた（川村ほか，1999）．

この露頭は，“中部蝦夷層群”の基底礫岩とされてきた（高橋ほか，1986）もので，同層準の礫岩の露頭としてはおそらく最大に近いものである．その意味で貴重であり，北海道大学総合博物館にも，この露頭から採取された礫岩の大標本が展示されている．

しかしこの礫岩層は，砂泥互層中に挟まれる連続性の乏しい礫質重力流堆積物であり，陸上侵食による不整合を示すものではない（川村ほか，1999）．

【執筆者：川村信人】

日高町滝の沢

川村信人・植田勇人・鳴島　勤，1999，前弧海盆堆積物中の不整合とスランプ体－中部蝦夷層群基底部の層位学的現象－．地質学論集，No.52，37-52．

高橋功二・鈴木　守，1986，５万分の１地質図幅「日高」および同説明書．北海道立地下資源調査所，44p．