ゆっくり流れる時を感じる
浮島湿原
浮島湿原は,標高870m付近の台地に発達した高層湿原である.面積は約21ha,池溏(沼)は大小70ほどあり,最大の池溏は最大径40m,水深は3m.池溏水のpHは4.4〜4.8の強酸性である.池溏には,名称の由来でもある「浮島」があり,風に吹かれて移動している.湿原の形成は約2500〜2000年前と推定されている.なお湿原として水を溜める平坦面は,厚く堆積した溶結度の高い安山岩質溶結凝灰岩の上面である.
国道273号線浮島トンネルの滝上町側の出口からほどなくの右手に林道(旧国道)がある.ここから砂利道を登り,しばらく進むと浮島湿原入口の看板がある.小さな沢の脇から上る登山道である.沢から斜面を登る分岐を間違えないように.実は浮島湿原への入口は上川町側にもあり,こちらの方が有名.整備の行き届いた3.5kmほどの遊歩道となっている.遊歩道ではせかされるように進みたくなるが,目の前に湿原が広がると不思議とのんびりとした心持ちになる.湿原内には遊歩道(木道)が整備されている.決して湿原内に立ち入らないように.
所在地
上川町 上越
滝上町 浮島峠
リンク
参考文献
辻井達一・橘ヒサ子・高橋英樹・梅沢 俊・岡田 操・冨士田裕子,2003,北海道の湿原と植物.北海道大学出版会,264p.
藤原 哲夫・金 喆佑・松井 公平・庄谷 幸夫 ,1970,5万分の1地質図幅「上川(網走-32)」および同説明書. 北海道開発庁, 25p.
北海道開発庁,1970,5万分の1地質図幅「上川(網走-32)」および同説明書.25p.
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