火山噴出物から地下水供給を受ける湿原
勇払平野のトキサタマップ湿原
JR沼ノ端駅の北西に拡がるトキサタマップ湿原は,道央自動車道,日高道,国道36号に囲まれている.湿地はトキサタマップ川を中心に分布しており,トキサタマップ川は勇払川と合流している.勇払川の洪水対策として河川改修が計画されたが,河川改修による地下水位の低下と湿地の保全とを両立させる対策工が実施されている.
鍵となったのは勇払川の流量に応じて河川水位を調整するトキサタマップ転倒堰とウトナイ湖の出口に設けられたウトナイ転倒関である.
湿原では10cm単位の水位変動で植生が変化しヨシ・イワノガリヤス・ミツガシワなどは水深10cmが必要で水位が地表下10cmに低下するとハンノキなどが進入して湿地の乾燥化が進行する.
この湿原は,周辺に分布する支笏火砕流堆積物や降下軽石堆積物から豊富な地下水が供給されることによって維持されている.
既存の指定など
苫小牧市自然環境保全地区(トキサタマップ湿原地区):1976年(昭和51年)3月10日指定
所在地
苫小牧市 トキサタマップ
リンク
参考文献
池田光良・瀧 正博(2007)北海道トキサタマップ湿原の保全対策工.土と基礎,55-8(595),24-27.
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