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火山噴出物から地下水供給を受ける湿原

勇払平野のトキサタマップ湿原

トキサタマップ堰 流量に応じて堰の高さを変え水位調節を行う.堰の上流側の標高は4.5m,堰の下流側は標高3.0mで,この3km下流のウトナイ湖の水面は標高2.0mである. 【写真: 石井 正之】
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トキサタマップ湿原  勇払川右岸の遮水シートパイルの堤防の上から西を望む. 【写真: 石井 正之】
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ウトナイ湖と海の間に設けられているウトナイ堰 これも可動堰でウトナイ湖の乾燥化を防いでいる. 【写真: 石井 正之】
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勇払川右岸にある勇払油・ガス田の掘削櫓 札幌の都市ガスは大部分がこの天然ガスを使用している.花崗岩の亀裂に高圧のガスが貯留されている世界的にも珍しい油・ガス田である. 【写真: 石井 正之】
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JR沼ノ端駅の北西に拡がるトキサタマップ湿原は,道央自動車道,日高道,国道36号に囲まれている.湿地はトキサタマップ川を中心に分布しており,トキサタマップ川は勇払川と合流している.勇払川の洪水対策として河川改修が計画されたが,河川改修による地下水位の低下と湿地の保全とを両立させる対策工が実施されている.

鍵となったのは勇払川の流量に応じて河川水位を調整するトキサタマップ転倒堰とウトナイ湖の出口に設けられたウトナイ転倒関である.

湿原では10cm単位の水位変動で植生が変化しヨシ・イワノガリヤス・ミツガシワなどは水深10cmが必要で水位が地表下10cmに低下するとハンノキなどが進入して湿地の乾燥化が進行する.

この湿原は,周辺に分布する支笏火砕流堆積物や降下軽石堆積物から豊富な地下水が供給されることによって維持されている.

【執筆者:石井正之】

既存の指定など

苫小牧市自然環境保全地区(トキサタマップ湿原地区):1976年(昭和51年)3月10日指定

所在地

苫小牧市 トキサタマップ

リンク

苫小牧市市役所

参考文献

池田光良・瀧 正博(2007)北海道トキサタマップ湿原の保全対策工.土と基礎,55-8(595),24-27.

 

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