モオタコシベツのガス沼と高圧異常層
遠別旭温泉
天北地方には石油・天然ガスを含む多くの地層がありますが,それを地表で見ることができる場所は限られています.その数少ない場所の一つがこの「ガス沼」です.この沼は,旭温泉の西側にある直径10m程度の円形の池で,いつもメタンの泡が湧き出ています(火気厳禁です).周辺がやや小高くなっていることなどから,この一帯が泥火山で,ガス沼はその陥没でできた地形だとも考えられています.
泥火山は異常に高い間隙水圧をもった泥が,地下水やガスとともに上昇して噴出し,火山のような堆積地形や陥没地形をつくるもので,道内では新冠泥火山が有名です.旭温泉は歌越別背斜ガス田として大正時代からガス田開発の行われたところで,ボーリングの際に地下にある高圧異常の地層にあたって度々ガスや泥水が爆発的に噴出したという記録があります.旭温泉はこの地層から湧いています.
所在地
遠別町 字旭
参考文献
地質調査所(1969)5万分の1地質図幅「遠別地域の地質(旭川-22)」および同説明書.37p.
高橋正明・森川徳敏・戸丸 仁・高橋 浩・大和田道子・竹野直人・風早 康,2006,遠別旭温泉・歌越別泥火山について.地質ニュース,no.627,48-53.
北海道立地下資源調査所,1979,北海道天北油・ガス田地帯.遠別・歌越別背斜ガス田地域天然ガス資源開発調査報告,no.9,61p.
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