新第三紀西野層のハイアロクラスタイト
藻南公園のハイアロクラスタイト
札幌市南区に位置する藻南公園付近の豊平川河床や川を挟んだ対岸の崖には、大小の角張った礫がたくさん入った灰色の地層が見られます。河床から崖の中段までは火砕流堆積物で、崖の上段は層理や斜交葉理が発達する土石流状の火山性砂礫岩であると思われます。
これらの地層は、海水中に噴出した溶岩が急に冷やされたり発泡することで破砕し、いろいろな大きさの岩塊や角礫、ガラス片のかたまりとして堆積したもので、ハイアロクラスタイト(水冷破砕岩)と呼ばれるものです。
この崖のハイアロクラスタイトには、凝灰質砂岩を挟む層相がみられることから、複数回の溶岩の噴出があったと思われます。公園の下流側の河床では、このハイアロクラスタイトと下位に位置する泥岩層との層境がみられます。
所在地
札幌市 南区真駒内柏丘
参考文献
北海道立地下資源調査所(1956)5万分の1地質図幅「石山(札幌-30)」および同説明書.54p.
岡 孝雄,高清水康博,垣原康之(2007)札幌大型動物化石総合調査報告書〜サッポロカイギュウとその時代の解明〜,札幌市博物館活動センター編集,札幌市.
地学団体研究会 札幌支部(1984)札幌の自然を歩く−第2版−.北海道大学出版会 地学団体研究会 札幌支部(1984)札幌の自然を歩く−第2版−.北海道大学出版会
関連するジオサイト