道内では珍しい中古生代石灰岩中の鍾乳洞
当麻鍾乳洞
当麻鍾乳洞(写真1)は,昭和32年に今村勇氏によって発見された,北海道では比較的珍しい鍾乳洞で,昭和37年に北海道指定天然記念物に指定されている.鍾乳洞の延長は135 mとされており,比較的小規模なものである.
鍾乳洞内部には,大小さまざまな石筍・石柱・鍾乳管などが見られ,歩道も整備されているので,快適な見学をすることが出来る(写真2).鍾乳洞の内部は夏でも涼しく,2010/6の見学の際には,外気温25度に対して内部の気温は8度であった.
当麻鍾乳洞の石灰岩(写真3)は,白亜紀付加体当麻コンプレックス(加藤ほか,1986)の中の石灰岩岩塊で,その周囲は剪断された前期白亜紀黒色泥岩を主体とする.鍾乳洞の南方に分布する石灰岩からは,古生代ペルム紀のフズリナおよび三畳紀新世のコノドント化石が発見されている(Hashimoto et al., 1975).北海道で初めてペルム紀の化石が発見されたところでもある.
所在地
当麻町 開明
参考文献
加藤幸弘・岩田圭示・魚住 悟・中村耕二, 1986, 北海道中央部,当麻-開明地域に分布する先第三系の再検討.地質雑,92, 239-242.
Hashimoto, W., Koike, T. and Hasegawa, T., 1975, First confirmation of the Permian System in the central part of Hokkaido. Proc. Japan Acad., 51, 34-37.
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