室蘭海岸山脈の新第三紀火山岩・火山砕屑岩
トッカリショからのぞむ水中火山の山裾
室蘭海岸の火山砕屑岩がつくる景観の中で,雄大な風景のひとつはトッカリショ(アザラシ岩)展望ステージからイタンキ浜方面を望む景色だと思います。成層した白い凝灰岩と灰色の安山岩塊の集まった火山砕屑岩(火砕岩)からなるいくつもの岬の海食崖が重なり合うようにながめることができます。一番向こうの低い海食崖の火砕岩や凝灰岩はほとんど平らに重なって見えますが,手前になるにしたがって地層の傾きが大きくなっているように見えます。崖を見る方向にもよりますので確かではありませんが,これは,この水中火山がトッカリショ側から次第にイタンキ浜方向に成長していったことを示しているのかもしれません。ここは今から750万年前(新生代新第三紀中新世)には海底火山の山裾だったのです。
既存の指定など
室蘭八景
所在地
室蘭市 母恋南町
リンク
参考文献
小山内煕・酒匂純俊(1953)5万分の1地質図幅「室蘭」および同説明書.北海道開発庁.36p.
渡辺寧(1992)西南北海道室蘭半島に分布する室蘭層のK-Ar年代,地球科学,v.46,351-354.