安政の頃,採掘された石炭窟
白糠の石炭岬
白糠漁港の背後の山は,安政の頃に石炭採掘が行われた場所である.この山を構成している地質は,古第三紀浦幌層群の尺別層である.白糠漁港から二つの露頭が見える.上部の露頭は赤褐色を呈しているのに対し中腹の露頭は淡白黄色を示している.上部露頭は有機質の泥岩が主体で石炭層が挟在している.走向・傾斜はN40°E,20°NWで,漁港の防波堤からでも西に傾斜しているのが分かる.
この石炭岬では,国道38号とJR根室本線が岬の先端を通っていて,中腹の露頭は近づくことができないが,その色から判断して砂岩であろう.
石炭岬の東に白糠川がある.この川の奥では新白糠炭鉱が1947(昭和22)年から1964(昭和39)年まで操業していた.川の出口付近の海岸には石炭の礫が散在している.
所在地
白糠町 岬(石炭岬)
参考文献
鈴木康輔(1958)5万分の1地質図幅および説明書「白糠」.北海道開発庁.