整合境界を観察しよう
茶路層と縫別層の整合境界
道東地方に分布する古第三系は,下位から浦幌層群(始新世)と音別層群(漸新世)である.良質な石炭を産出したことで有名な夾炭層は浦幌層群である.対して音別層群は下位から大曲層・茶路層・縫別層の3層から構成され,とくに茶路層は灰〜暗灰色の無層理シルト岩であり,その岩相は夕張地区に分布する幌内層群とよく似ている.さらに上位の縫別層は茶路層に酷似するシルト岩と塩基性安山岩を起源とする砕屑粒子を主体とする黒色砂岩が互層からなる.
常室川とソウウンベツ川合流部から下流に向かって塊状灰色シルト岩からなる茶路層が露出するが,約1km下流まで来ると,突如として黒色砂岩が挟在される互層となる.この互層部のうち,初めて出現した黒色砂岩の下底面から上位が縫別層である.なお互層中の黒色砂岩と灰色シルト岩の上下の境界は明瞭である場合がほとんどである.
所在地
浦幌町 浦幌炭鉱跡
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参考文献
日本の地質「北海道地方」編集委員会編 (1990) 第3章 古第三系. 日本の地質1「北海道地方」共立出版, 46-61.
織田 精徳,根本 隆文,植村 武 (1959) 5万分の1地質図幅「常室(釧路-44)」および同説明書. 北海道開発庁, 54p.
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