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直立した樹幹と炭化した上部

樽前山麓の“化石木”

中央のややかしいだのが化石木:根も幹の下部も焼かれていないが,左から出ている枝の上の部分は炭化して黒くなっている.焼かれていない幹の樹皮から針葉樹と判断できる.左の崖に1739年噴火(Ta-a)の降下火砕堆積物・火砕サージ堆積物・火砕流堆積物が見られる.左が上流.【写真: 石井正之】
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下から降下火砕堆積物,火砕サージ堆積物,火砕流堆積物:折尺の中央付近の灰色の荘が火砕サージ堆積物である.折尺の右の白いブロックは軽石でその右下の黒く見えるのが炭化した木材である.ここでは,火砕流堆積物中の軽石は最大径80cm ほどの大きなものが多い.左が上流.【写真: 石井正之】
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拡大写真:火砕流堆積物が炭化木を含む火砕サージ堆積物に乗り上げている.炭化木の幹の方向は N50°W のものが多い. 左が上流.【写真: 石井正之】
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樽前山の北斜面にはいくつかの涸れ沢がある.その一つの沢に,炭化していない根と幹を持ち上部が炭化して無くなった直立した化石木がある.つまり,根と幹の下部は降下火砕堆積物により埋もれ,上部はその後発生した火砕サージ堆積物と火砕流堆積物により引きちぎられ無くなっている.残っている幹の上端に炭化した部分が一部残っている.

これは,1739(元文4)年の噴出物によって形成されたものである.

なお,樽前火山地質図には炭化棒の配列方向が示されている.

【執筆者:石井正之】

既存の指定など

支笏洞爺国立公園

所在地

千歳市 モーラップ

参考文献

古川竜太(1998)4.樽前火山 江戸時代の破局的噴火と生々しい溶岩ドーム.高橋正樹,小林哲夫編 フィールドガイド日本の火山3 北海道の火山,77-91.
古川竜太・中川光弘(2010)樽前火山地質図.産業技術総合研究所地質調査総合センター.