380万年前の火山
ここも札幌:春香山
春香山は標高906.7m のなだらかな山である.札幌市内からは見えないがモエレ山からははっきりと見ることができる.右に和宇尻山(標高856m)がありその左に重なるようにして佇んでいる.
春香山山頂には輝石安山岩の露頭が足元にあるが,頂上直下の登山道の小さな崩壊地に板状節理の発達した露頭がある.全体は淡青灰色で,比較的細粒な長石と輝石の斑晶が見られる典型的な安山岩である.この安山岩の形成年代は約380万年前で,手稲山溶岩(約370万年前)とほぼ同時代である.
土場と呼ばれる標高570m の広場付近では白色に変質した安山岩が見られる.輝石が溶脱していて基質は白色の粘土鉱物で置き換わっている.
既存の指定など
なし
所在地
札幌市 南区春香山
参考文献
杉本良也(1953)5万分の1地質図幅および説明書「銭函」.北海道開発庁.
Watanabe,Y.(1990) Pliocene to Pleistcene Volcanic and Related Vein-Type Mineralization in Sapporo-Iwanai District,Southwest Hokkaido,Japan.Mining Geol.,Vol.40(5),289-298.