前期中新世の陸上火山噴出物
礼文島の溶結凝灰岩
元地漁港を過ぎて地蔵岩に向かう途中の沢の入口に溶結凝灰岩・凝灰角礫岩・輝石安山岩溶岩の露頭がある.これがメノウ浜層で,溶結凝灰岩のフィッション・トラック年代は17.1Ma である.この地層は,北側の前期白亜紀の地蔵岩層とは断層で接していて,上部は前期中新世の元地層(14.1Ma)に覆われている.
メノウ浜層が形成された頃,北海道北部は全体に陸化していて,この溶結凝灰岩はその産物と考えられている.
これと同じ時代の溶結凝灰岩は北海道では大平山(おおびらやま)図幅の泊川上流に分布するマス川層中にあり,フィッション・トラック年代は15.1〜17.2Ma である.
既存の指定など
利尻礼文サロベツ国立公園
所在地
礼文町 元地メノウ浜
参考文献
雨宮和夫ほか(1997)北海道礼文島の前期中新世溶結凝灰岩.日本地質学会104年学術 大会講演要旨,134p.
黒沢邦彦ほか(1993)5万分の1地質図幅及び説明書「大平山」,28-31.北海道立地下資源調査所.
宮坂省吾ほか(2000)礼文島の中新統に関する覚書.秋葉 力先生追悼論文集,137-141.