世界最古の大型カイギュウ
サッポロカイギュウ
北海道の新第三系から第四系にかけて多くの哺乳類化石が産出する.中でもカイギュウ類化石はこれまで道内14箇所から22点が発見されており,全国の半数以上は北海道から産出している.これらの化石を分類すると,大きく温暖系と寒冷系のカイギュウ類に分けられ,北海道は地球規模の気候変動を反映し,寒暖に応じてそれぞれのカイギュウ類が生息していた地域であることがわかる.特に,寒冷系のカイギュウ類については,各時代から産出した道内のカイギュウ化石群によって比較的小型のDusisiren属が寒冷な環境に適応し,体長をほぼ2倍に大型化させたHydrodamalis属へと分化した時期(820万年前)がサッポロカイギュウの出現によって判明し,人魚と呼ばれた動物が巨大化し海牛と呼ばれるようになった過程とその環境を明らかにしたことで世界的にも注目を集めている.
所在地
札幌市 南区小金湯
リンク
参考文献
『札幌市大型動物総合調査報告書―カイギュウとその時代の解明』(2007),札幌市