蝦夷層群の最東端?露出
様似市街地付近の蝦夷層群
北海道中軸部(空知-エゾ帯)の白亜系蝦夷層群の分布は,南端部の浦河地域では西北西~東南東方向となり,その東端は様似町付近で南北性の断層によって切断されてイドンナップ帯の付加体と接している.
様似町市街地のすぐ北にある採石場あとでは,蝦夷層群の東端部の地層を見ることが出来る(写真1).岩相は厚層理の砂質タービダイトで,層理はほぼ直立している.岩相的には蝦夷層群下部層準のものと似ているが,蟹江・酒井(2002)では“中部蝦夷層群”となっている.タービダイト砂岩中には泥リップアップクラストを大量に含むものがある(写真2).
蝦夷層群の分布は実際には様似川の東側にも延びているが,簡単に確認できる露頭としては,この採石場あとのものが事実上最東端のものと言える.
所在地
様似町 採石場跡
参考文献
蟹江康光・酒井 彰,2002,5万分の1地質図幅『浦河』および同説明書.地質調査所.