溶結凝灰岩の崖を流れ落ちる名瀑
アシリベツの滝と鱒見の滝
札幌の南の台地は支笏火砕流堆積物で形成されている.この火砕流堆積物は石山緑地公園などで見られるように,非溶結あるいは弱溶結の火砕流に挟まれて強溶結の溶結凝灰岩がある.相対的に硬い溶結凝灰岩が滝を造っているのが,滝野すずらん丘陵公園にあるアシリベツの滝と鱒見の滝である.
アシリベツの滝は厚別川本流にかかる滝で高さ約30m,幅は50mほどである.アシリベツの滝の向かって左側にもう一つ滝があるが,この滝は南から流下してくる支流がつくる滝で,アシリベツの滝の雄滝に対して雌滝と呼ばれているようである.
この滝をつくっている溶結凝灰岩の上部は,サイコロ状〜板状の節理がはっきりしていて固結度はかなり良い.滝の下部は弱溶結部であるためオーバーハングとなっている.
鱒見の滝は厚別川の支流・鱒見の沢にかかる滝で,落差は20m弱である.鱒見の滝をつくる溶結凝灰岩は溶結の程度が低く塊状でほとんど節理が目立たない.
既存の指定など
アシリベツの滝:日本の滝百選
所在地
札幌市 南区滝野
参考文献
小山内 熙,杉本良也,北川芳男(1956)5万分の1地質図幅・同説明書「札幌」.21-23.北海道地下資源調査所.
前田寿嗣(2007)歩こう!札幌の地形と地質.114-118.北海道新聞社.