安山岩を貫く岩脈
八剣山
八剣山は、札幌から南西に15kmほど離れた標高498mの山です。この山は、札幌から定山渓に向かう国道230号線の右手にみえる「恐竜の背骨」のような稜線として知られており、その背骨のように連なる多くの岩峰から、八剣山と呼ばれています。別名で観音岩山とも呼ばれております。
八剣山は、新第三紀中新世の砥山層を貫く貫入岩体(複輝石安山岩)であると推定されており、南口登山口周辺では、ほぼ垂直方向に発達した柱状節理が観察できます。山頂部には、鋭くとがった岩峰として北西-南東方向の岩脈(石英角閃石輝石デイサイト)が露出しており、水平方向に発達した柱状節理が特徴的です。
安山岩の貫入岩体は6.7Ma(K-Ar法)、山頂部のデイサイトは4Ma(K-Ar法)の年代値が報告されています。
※八剣山には登山道が整備されており、1時間ほどで登頂することができます。
所在地
札幌市 南区簾舞
参考文献
土居繁雄(1953)5万分の1地質図幅および説明書「定山渓」,北海道開発庁.
岡 孝雄,高清水康博,垣原康之(2007)札幌大型動物化石総合調査報告書〜サッポロカイギュウとその時代の解明〜,札幌市博物館活動センター編集,札幌市.