柱状節理の溶岩と枕状溶岩
国道5号国富トンネルのドレライト
国道のすぐ脇にある昔の採石場跡で見られる黒色の粗粒玄武岩である.露頭の下部には柱状(一部放射状)節理の発達した塊状部があり,その上部には枕状溶岩が見られる.
岩内図幅説明書では,この粗粒玄武岩は岩床状に貫入している所や岩脈となっている所などがあるとしている.時代は八雲層とされている.
陸上溶岩が海などに突っ込んで下がハイアロクラスタイト,上が塊状溶岩となっている例はある(例えば,山岸,1994)が,この露頭のように上位に枕状溶岩が形成されているのは珍しい.
古い採石場であり崖面は風化が進んでいるので,近寄る場合は頭上からの落石に十分な注意が必要である.
所在地
共和町 本村1
参考文献
広川 治,村山 正郎 (1955) 5万分の1地質図幅「岩内(札幌-27)」および同説明書. 地質調査所, 34p.
長谷川 清,小山内 熙 (1978) 国富−定山渓地域の地質と鉱床 −地質構造発達史を中心として−. 北海道立地下資源調査所, 5, 37p.
山岸 宏光 (1994) 水中火山岩‐アトラスと用語解説‐. 北海道大学図書刊行会, 195p.